期限付きの仕事の期限を守らせるためには

期限付きの仕事(プロジェクトの1タスクと考えています。)の期限を守らせるためには、

① 学生症候群に陥ることを防ぐ
② 仕事に集中できる環境を整えてやる

ことが重要だと思います。

社員は、やったことのないこと、何から手をつけていいか判らないことに対して、なかなか手を付けようとしません。かといって遊んでいる訳ではなく、自分の得意な仕事を見つけてそちらを先に片付けようとします。これこそが、学生症候群です。

これを防ぐためには、毎日の報告から期限付きの仕事に取り組んでいるかどうかをチェックし、期限付きの仕事に取り掛かるように向けさせることです。たいていの場合、他の仕事も結構重要で無視できる内容では無いのでやっかいです。

そのため、プロジェクト・マネージャーは、他の者に仕事を割り振るか、他の者で代替が利かない場合には、後回しにさせます。問題は、担当者がやっている仕事が他部門の偉いさんからの依頼などの場合です。この場合、依頼された仕事を後回しにするための他部門との折衝は、プロジェクトマネージャーの仕事です。


また、仕事が停滞している場合、何から手をつけていいか判らず、むやみやたらと調べものをしていることがあります。そういった場合、とりあえず結果のでるものまで業務を分解し、期限を切って仕事の進捗を管理する必要があります。


期限付きの仕事の毎日の評価のなかで、期限付きの業務に手をつけていない場合の評価点は、1点ですが、なぜ、手が付けられなかったかの報告をあげさせることで、評価は3点に戻します。管理者は、担当者に悪い評価をつけても、プロジェクトの遅れを防ぐことはできません。手が付けられなかった原因を報告させることで、プロジェクトが遅れる前に対処することが可能になります。


また、担当者がわけが判らなくなった状況も、期限にどれくらい後れるかの見当もつかないような状態に陥った状態も、先の評価では2点ですが、なぜ、遅れ日数すらも把握できない状況になったかを報告させることで、プロジェクトマネージャーは、対処することができます。


だれも、怠けている訳ではないのです。目標は、プロジェクトの期限内の完成です。そのために毎日の評価は利用されるべきです。

期限付きの仕事の評価 その2

「クリティカル・チェーン」に書かれているように、プロジュクトには変動要因が多く含まれているため、遅れるのが当たり前という認識が担当者にあると思う。

過去の経験から、遅れることが当たり前と思っているので、作業日数を見積もる際に、過去の経験から変動要因を考えて余分の日程を申告する。余分の日程を申告しているのだから、早く終わるタスクがあってもよさそうなのに、早く終わったというタスク報告はあまり聞けません。

なぜでしょうか?

答えは、早く終わりそうかどうかを尋ねていないからではないでしょうか?


たとえば、営業目標について、目標を達成できそうかどうかは聞きますが、営業目標をどのていど超えそうかと尋ねる管理者は少ないと思います。なぜなら、営業目標は達成することが簡単ではないという思い込みがあるからです。

同様に、プロジュクトにおいても、期限内において完了することは難しいと考えているのでプロジュクトマネージャーも各担当者にどれくらい早く終わるかと尋ねない。

また、早く終わったと報告したら、最初の必要時間の見積もりが甘かったと叱責されるような雰囲気はないだろうか?

期限付き業務の評価


3.期限付き業務の評価(営業目標の達成状況・プロジェクトの各タスクなど)

  5点:早期完了見込みの報告
  4点:遅れ見込み日数の報告
  3点:予定どおりの進捗状況報告
  2点:いつ完了するかわからない
  1点:進捗報告なし

期限付きの業務は、ゴールドラッド氏の著書「クリティカル・チェーン」に書かれているように、遅れることが日常茶飯事となっているのではないだろうか?


クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?

クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?


「クリティカル・チェーン」に書かれているように、プロジュクトには変動要因が多く含まれているため、遅れるのが当たり前という認識が担当者に取り付いていると思う。

遅れることが当たり前と思っているので、作業日数を見積もる際に各担当者は、過去の経験から変動要因を考えて余分の日程を申告する。余分の日程を申告しているのだから、早く終わるタスクがあってもよさそうなのに、早く終わったというタスク報告はあまり聞けません。

なぜでしょうか?

毎日の評価項目

1.毎日行う業務の評価(出社すると仕事がすぐ始められる業務)


 ① 処理スピード

   5点:仕事のやり方を変えることにより、極めて処理スピードが速くなった。
   4点:仕事のコツをつかむことにより、処理スピードが早くなった。
   3点:処理スピードに変化は無い。
   2点:遅くなった。(残業をして、その日の予定を処理した。)
   1点:極めて遅くなった。(その日の予定作業を終わらせることができなかった。)

ただし、遅くなった場合でも、正当な理由の報告があれば3点とする。通常、理由もなく遅くなることは、考えられない。したがって、「しかたがないなあ」という理由が存在するはずである。前回書いた、居酒屋を例にとると、厨房の能力以上に注文が集中し、顧客への料理の配膳が遅れるといったような状態である。

しかし、その理由で納得していては、企業の発展はない。理由報告は、同じような遅れを繰り返さないための仕組み作りのための改善のきっかけとすることが重要である。なにか対策がとれないのか、すぐに配膳できるような料理をストックしておいてその料理を勧めるとか、しかたがないとあきらめないで、改善することが企業を強くする。


 ② ミス・不良品発生率

   5点:仕事のやり方を変えることにより、極めて少なくなった。
   4点:仕事のコツをつかむことにより、ミスが少なくなった。
   3点:ミス・不良品発生率に変化は無い。
   2点:ミス・不良品発生率が増加した。
   1点:ミス・不良品発生率が極めて増加した。

ミス・不良品発生率の処理スピード同様、理由も無くミスや不良品率が増加する訳は無いわけで、担当者の責任と言えないような何らかの理由があるはずである。その理由を報告すれば、評価点は3点にすべきである。これを、担当者のせいにしてしまうと、担当者の不満(上司は、部下の仕事を何も見ていない。)に繋がる。

ミスが増えたことを叱責すると、言い訳を言わない社員は居ない。実に最な理由が出てくる。それを口頭での報告ではなく、文書で報告をさせるのである。

そして、大切なことは、その報告を眠らせないで、必ず改善の種として活用することである。最近は、どこの企業でもグループウエアを活用していると思うが、このような報告は、改善報告が出てくるまで誰もが見られる場所にたなざらししておくことで、あまりにも長い間放置されているようなら、管理者の評価は下げるべきである。









     

期限の無い仕事は、仕事ではない

期限を決めないで行うことは、仕事ではなく、趣味です。仕事と名がつくからには、期限があります。居酒屋の接客係のアルバイトでも、お客が怒り出す前に注文も料理をお客のテーブルにとどけなくてはなりません。毎日同じ製品を組み立てている作業者も、今日中に作るべき製品の数は、決まっているはずです。


毎日行う業務や、上記の居酒屋のアルバイトのように、期限があいまいだったり、短かったたりすると、一見期限が無いように見えますが期限はあります。そして、期限を守れないということは、仕事が遅いということになります。


居酒屋で、お客が注文してから料理が来るのが遅いと、お客が怒り出します。そうゆうことを繰り返すアルバイトの評価は低く、いつまでも時給は上がらず、場合によってはくびです。


料理をお客様のテーブルに迅速に届けるためには、接客係が迅速に厨房にオーダーを通すとか、正確なオーダーを伝えるとか、接客係の能力が一番大きな要因ですが、厨房の処理能力を超えるオーダーが入ったために、料理ができるのが遅くなるなど、接客係の努力だけではどうしようも無い場合もあります。


接客係の責任範囲外の要因で、料理を運ぶのが遅れ、お客が怒りだすことだってあるはずです。それでも、お客が怒り出した責任は、接客係にあると思います。お客が怒り出す前に、現在の状況をお客に伝え、自分ができることをすることで、客が怒り出すことは防げると思います。

何を評価するか


前回の日記で、私なりに業務を4分類しました。業務の特性が違えば、評価の視点も違うべきです。前に昼食を食べる食堂の話をしましたが、サービスの良い店を価格だけで評価することはナンセンスです。その店の特長を充分に考慮した評価方法を考えるべきです。


1.毎日の業務の評価

毎日同じ業務を行っているのであれば、基本的には、その処理スピードとミス(不良品)の発生率を評価する。評価方法としては、前年対比ということになる。


しかしながら、処理スピードやミス率は、ある程度までいくと、努力の割りに目に見える成果を出すことは困難になる。また、ボトルネック工程でなければ、一生懸命努力して処理スピードを上げミス率を低下させても、スループットは増加しない。

毎日、同じ業務を同じ社員に担当させると、組織力の低下を招く。だから、一時的な効率低下を乗り越えて、環境変化に対する柔軟性をつけるために、業務のローテーションを行い、多能化を図るべきである。そして、評価は多能化を評価する。

日々の業務を分析する

社員が日々どんな業務を行っているかを分析したところ、次のように分類できました。


1.毎日行う業務
  製造工場などで物を作る作業等になるでしょうか、会社に行けばすぐに作業が始められる業務

2.日常的に発生する業務
  一日中ある業務では無いけれど、他の要求にもとずいて不定期に仕事が発生する業務
  たとえば、
  注文が入ったので、製造指示書を作成するとか
  経理で、交通費の請求に応じて社員に交通費を渡すとか
  顧客からの資料請求にもとずいて、資料を発送するとか
  電話が掛かってきて、応対するとか
  来客に、お茶を出すとか
  決済のおりた伝票を入力するとか

この仕事だけを担当していると、周囲からは、非常に暇そうに見える。かといって、空いた時間に、他の業務を行うと、この種の仕事が発生すると、現在行っている業務を中断して、対応しなくてはいけないので、現在行っている仕事の生産性を著しく低下させる。
  
3.期限付きの業務(作業内容明確)
  作業内容が明確で、期限付きの業務。ほとんどの場合、期限は短期
  毎日行う業務に似ているが、単発的に発生するとことが毎日行う業務と違う。
  
4.期限付きの業務(作業内容不明確)
  プログラムの開発とか、設計とか、業者と価格交渉を行って発注先を決定するとか
  期限と目標が決められているが、作業方法については明確ではなく、作業者の裁量に依存して   いる業務。

5.緊急対応業務
  異常や事故が発生し、正常状態に戻すために行う業務
  業務完了期限は無いが、一刻も早く完了させなくてはならない業務

  
カウンタ:2236